マンションとアートを融合【ぐんま経済新聞】

不動産賃貸、土地開発を手掛ける都丸総合建物(前橋市天川町、都丸資生社長)が建設中で6月完成予定の賃貸マンション「あさひグランレジデンシア高崎Ⅰ・Ⅱ」(高崎市芝塚町)は、アートを取り入れたラグジュアリー賃貸マンションとなる。群馬にゆかりのある若手アーティストの作品展示スペースを設置するほか、各階の階数表示板の創作もアーティストに依頼する。参加アーティストはアートディレクターでRamAir.LLC代表の田村吾郎氏と画家の牛嶋直子氏など。
 田村氏は東京藝術大学美術学部、同大学院美術研究科で空間デザインについて研究(美術博士)した後、同大学非常勤講師を経て東京工科大学で教える傍ら、コンサートやオペラなどの空間演出や装置開発、企業ブランディング、省庁や地方自治体のアドバイザーなど多方面で活躍している。
 牛嶋氏は前橋女子高校、女子美術大学、大学院を修了後、フリーランスで画家として活動。記憶の中の風景を描いた「風景シリーズ」、自身で作った透明なモチーフを写実する「透明シリーズ」など、独自のスタイルの絵画を展開している。14日まで銀座のアートギャラリー「ガレリア・グラフィカ」で個展を開催している。
 今回のプロジェクトは同社の・・・続きはこちらから 都丸明宣専務と田村氏が小学生時代からの友人で、建設とアートそれぞれの強みを融合し、付加価値のある住まいと空間をつくりたいという思いが一致したため。
 作品展示スペースでは群馬出身のアーティストの作品を展示。エレべーターホールの階数表示など機能的な分野でもアーティストが参加予定。マンション住人をはじめ訪れる人に地元アーティストの感性を感じてもらうことを目指している。
 プロジェクトに関して田村氏は「エントランスと共用部分にも作品を飾る。作品は一定期間置き、永久にそれというものではなくランダムに変えていく。アーティストを建物に絡めることにより、アート、経済、音楽イベント、子供たち、地元住民などを含め、新たなコミュニティーを創出するきっかけにできればと考えている」と話す。
 都丸専務は「マンションのエントランスが新しいことにチャレンジする場になる。建築でも、音楽でも、アーティストでも、惰性のことをやっていても面白くない。建物を建てて終わり、は違う。そこから地域とのつながりを持ち、その過程の中でいろんな人を巻きこんでいきながら、周辺を活性化させていきたい」と述べる。
 最初は牛嶋氏の作品3〜4点をエントランスに展示し田村氏が空間演出を行っていく。今後、参加アーティストを増やしプロジェクトを展開していく。